パネルディスカッション

【概要】

福井:
地域づくりで一番大事なことは、ここがすきかどうか。
市民が誇りをもって地域の自慢をするような雰囲気が理想的。
しかし残念ながら、観光産業に取り組んでいる地域では、市民が
「こんなところに何しにきたんだ」
というようなところがまだ多いように感じる。
小浜の人はとても地元が好きだと言う人が多い気がするが、今、何がうまくカタチにできないのか。

木村:
Uターンしてきた若者の意見は、うえの年代に届かない。
若手のまずは楽しければいいやと、うえの世代との意識の差が問題だと思う。
将来的に、下の世代が種をまいたらなんでも芽吹く土作りがしたい。

福井:
まずは、どこに向かって目標をたてればいいのかが大事

関岡:
三方五湖でやってきたことは、
・地域に対するビジョンを絵にして提案。(いいところを掘り起こしながら、どう解決していけばいいのか。プロモーションも平行させる)
・地道に、じっくりと体と頭を動かす。(焦らず、積み上げていく)
・お酒を飲むような場で語りあう。

福井:
集落が、こいう方向にいきたいというビジョンがないと、若者が迷う。
支持や依頼内容に具体性がなく、適当にモノゴトが進みがちになっているので、ビジョンを絵にするのは大事。

西野:
食の町づくりをしている小浜市。
市民はその観光産業に活かされているという認識がない。
ただ、食育という観点から子どもたちに食の大切さを提供しているところで、成果が出てきている。
あと、産業に結びつけるのは、自然の恵み。
そこに重点をおいて、恵みに感謝してどう活かすかは市民全体て考えていく、次のステップのときだと感じている。

福井:
小浜の若い世代の課題は、
「ビジョンがはっきりしない」だね。

中島:
自分も都会からのUターンだが、帰ってきて地元の良さを改めて感じると、地元に貢献したくなる。
30歳前後の同世代は、休日は都会に遊びにいく。
田舎はなにもないと思っている。
しかし、自分は田舎が面白いと思っている、その意識に差を感じる。
そういった同世代にどのようなアプローチをすれば、地元をすきになってくれるのかも課題。

下仲:
ひとつひとつの取り組みをみんなで一緒に遣って行く。
巻き込んでいく。
なければつくればいい。
つくる、といことはとても大事。

西野:
食べるものが大事。

福井:
国家、政治にとって一番たいせつなのは、食べるものだ。
そんなこともできない国が、民を大切にできるわけがない。
その次がエネルギー、
その次が、人と人の繋がり。(地域、先祖、文化歴史)
最近は、地域から出て、都市部のトップクラスで頑張ってきた人が、また地元にもどっていく。
そのような動きがとてもおおい。

西野:
10年前、Uターンしてまず最初にしたのは、公民館の講座の内容を、若年層でも参加できそうなものにした。
今では、子育て支援系のもの。
お母さんは、外部からお嫁に来た人が多く、なじめない人がおおかった。
自己実現性に対して、疑問を持っている人へ働きかけたかった。
わたしは何も出来ないので、できそうな人、得意そうな人にお願いしていく。
自分がキーマンになるとか、自分がやるとは思わない。
自分がやらなければとは思わない。
全部自分でやろうとするのではなく、やれる人にお願いしていく。
それを束ねて形作っていく。

下仲:
お酒を飲みながら、ざっくばらんな場で、人の得て増えてを確認していく。
お酒の席は大事にする。
地元の方が気づかないところを柔らかく優しくしつこくさとしていく。
誰に対しても優しく接してつないでいく。
通じて、笑顔がとても大事。

福井:
いろんな地域からアドバイスを求められるが、私は地元の人が考えて、行動するまで「こうすればいい」と気づいていても答えは出さない。
地元それぞれの人の役割がはっきりすれば、リーダーはいらない。
事をおこそうとすると、リーダーがいないといわれるが、いないほうがいい。
誰にでも出来るようにするのには、役割分担でつないでいくこと。
地域づくりがうまくいっている地域では、地元に入って上から目線ではなく、そこにいって話をして掘り起こし話をつなぐことをしている。
焦って、自分で全部やろうと思ったらだめ。

福井:
うまくいっているのが、「かみえちご里山倶楽部」

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実は建築が舎の社長がとりまとめをやり、専務が外部の人間の意見をとりまとめている。
そこでバランスがきれいにとれている。

福井:
テーマはわかりやすくないとだめ。
一つのビジョンとして、テーマを掲げる。
固い言葉じゃなくて、みんなで共有できる楽しい言葉にする。
例えば「里山に光を」(里山を光で彩るイベントなど)とか。

福井:
水俣でずっと活動してきた方が、福島に行って、
「原発に対してはあきらめろ。我慢しろ。世間はかわらない。」
と言っている。とても刺激のある言葉だが真実。
けど大切なのは、本物をつくること。
我慢して耐えながら、本物をつくれ。
【今後何をしたいのか】
木村:突き抜けている先輩のバトンを次の世代に引き着く。コーディネートしていく。
中島:若者がおもしろい、たのしいと思う地域と環境づくり
西野:何もないのではなく、なんでもある。多様性があるってことを地元の人に広げたい
関岡:若狭に住む人が地元をすきになっていく。生活基盤を整える。
下仲:種をどんどんまいていく。50年先の子どもたちへ受け継いでいくようなかんじ。
伝統文化をただ護るのではなく、神様への感謝などの想いは、変化させて伝えていく。