みえない水を通した里山・里地・里海湖のつながり◆福井県立大学海洋生物資源臨海研究センター

【概要】
タイトルの「みえない水」とは地下水のこと。

 

◯「水の国」福井(越山若水)

・特に若狭は水が豊富。

・名水百選に瓜割ノ滝と鵜の瀬が選ばれ、平成の名水百選に雲城水と熊川宿前川が選出。

・井戸が120本見つかっている。

・福井県は利用している上水の74%地下水であり、小浜市は100%地下水。地下水とは切っても切り離せない関係にある。

 

◯小浜市での地下水利用と問題

・地下水は上水道や融雪に使われており、小浜市では融雪での利用が1日で5万㎥近くになっている。

・地下水を利用しすぎると、枯渇問題や塩水化、海への栄養供給量が減るといった問題がでてくる。地下水の湧出量が減って水圧が低下すると、海からの圧が強くなり塩水化する。

・融雪水利用が増える時期は雲城水の湧出量が減っている。

 

→地下水保全の重要性の再認識が必要。「豊穣の海」若狭、「御食国」若狭、「水の国」若狭を守っていくために地下水の保全が必要。

 

◯小浜市における地下水の特性

・地下水の起源推定:冬季の降水・融雪

・地下水の滞留時間推定:小浜市では10年未満

 

◯地下水の海底湧出評価

・小浜湾への地下水湧出量は全淡水流入の約2割。

・地下水中には高濃度のラドンが含まれている。

・地下水は貴重な栄養供給源であり、海へ流入するリンの58%は地下水が運んでいる。その他、窒素の39%、ケイ素の37%を地下水が供給している。

 

◯水産資源への寄与

・地下水に含まれているラドンが多いほど、植物プランクトンが多くなっている。またラドン濃度が高いほど、アサリの成長がやや良いことも分かった。